「歯医者で異常なし」の奥歯の痛み、放置しないで。実は「心臓からのSOS」かも?救命士が教える、危険な歯痛の見極め方3選

「奥歯がズキズキ痛むから歯医者に行ったのに、『虫歯も異常もありません』と言われた…」

そんな経験はありませんか?
原因不明の歯の痛み、実はそのまま放置してはいけない危険なサインかもしれません。

その正体は、「心臓の病気(狭心症や心筋梗塞)」の可能性があります。

心臓の血管が詰まりかけたりして血流が悪くなると、心臓がSOSを出します。
この時、脳が痛みの発生源を「歯」や「顎」だと勘違いしてしまうことがあるのです。これを医学用語で「放散痛(ほうさんつう)」や「関連痛」と呼びます。

特に、女性やご高齢の方は、典型的な「胸が締め付けられる痛み」が出にくく、歯や顎、肩などの痛みとして症状が現れやすい傾向があるため、注意が必要です。

では、普通の虫歯と、命に関わる心臓由来の痛みをどう見分ければよいのでしょうか?
救命士の視点から、見逃してはいけない3つのポイントをお伝えします。

ただの虫歯?心臓のSOS?危険な歯痛の見極め3選

以下の3つの特徴に当てはまる場合は、歯ではなく心臓を疑う必要があります。

1. 「体の動き」に連動して痛むか(最重要)

  • 心臓のSOS:階段の上り下り、早歩き、重い荷物を持った時など、体に負荷がかかった時だけ歯や顎が痛くなり、立ち止まって休むと数分で治まる。
  • 解説:これは運動によって心臓が多くの酸素を必要とした時に、血流が足りなくなる「労作性(ろうさくせい)狭心症」の典型的な特徴です。
  • 虫歯の場合:体の動きとは関係なく、安静にしていても痛むことが多いです。

2. 「冷たい水」が平気か

  • 心臓のSOS:冷たい水、熱いお湯、甘いものなどを口に入れても、それが刺激となって痛みが誘発されることは少ない。
  • 虫歯の場合:虫歯や知覚過敏であれば、温度刺激や甘味刺激で「ズキッ」としみたり、痛みが強くなったりします。

3. 痛む「範囲」が曖昧か

  • 心臓のSOS:「どの歯が痛いですか?」と聞かれた時、「右下の奥から2番目」のように指一本で特定できず、「なんとなく下の奥歯全体が浮く感じ」「顎全体が重苦しい」といった、広範囲でぼんやりとした痛み方をすることが多い。
  • 虫歯の場合:痛みの原因となっている特定の歯を指し示せることが多いです。

まとめ:ためらわずに循環器内科へ

もし、上記の「心臓のSOS」の特徴に当てはまり、歯科で異常なしと言われた場合は、速やかに「循環器内科」を受診してください。

特に、歯や顎の痛みとセットで、以下の症状がある場合は一刻を争う緊急事態(急性心筋梗塞の疑い)です。

  • 冷や汗が出る
  • 吐き気がする、嘔吐する
  • 息苦しい
  • 意識が遠のく感じがする

「歯が痛いくらいで大げさな」と思わず、迷わず救急車(119番)を呼んで助けを求めてください。その判断が命を救います。


■参考文献・関連リンク

株式会社NEWRECT

「興味→予防→救命」のLife Flowを柱に、“もしも”の後悔をなくし、突然死を減らす活動をしています。

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